こんにちは、千枝です。
今日は新しくお取り扱いをスタートさせたブランド、についてのご紹介ブログです。
新しくブランドさんとお取引を始める場合って色々なケースがあるのですが、どこどこに居た誰々がブランドを始めるらしい、といった前情報をキャッチして始まる事が多くなってきました。
お店を始めたばかりの頃は雑誌を見て、デビューブランドのすごくすごく小さい記事を見つけてオファーを入れたりしていたのですが、最近はSNSが盛んになっている背景もあってか、そういえばそんなピュアな出会いってしていないなぁ、って思います。
Altamiraも創業20年を超え、実は業界ではちょっとした有名店になっているらしく、ブランドさんからのオファーもかなりの数を毎シーズン頂いています。
全ての資料に必ず目を通すようにしているのですが、これは、と思うことも少なくなってきました。
お店にも自分にも核となる部分がしっかりと出来上がっていて、いわば何でも食べてみたい、という時期を過ぎているのだと思います。
そんな贅沢な視点でAltamiraという出来上がったコースにこれは、と思うブランドを今季、ひとつ見つけました。
きっかけは一枚のお手紙。
美しい文字で美しい言葉をしたためられたそのお手紙にはブランドに対する想い、Altamiraについて書かれていました。
こんな文章を取引したいお店、一件一件に書かれる人はどんな洋服を作るのだろう、と興味を持ったのがスタートとなりました。
KAKANというブランドです。カカン、と読みます。
「ファッションデザインとはある種のパフォーマンスアートだと思っています」
2024-25年秋冬コレクションでデビューを果たした手紡ぎのニットを核にするブランド、カカ(KAKAN)のデザイナー工藤花観は語る。
ロンドンでファインアートなどの芸術に触れ、衣食住のエコシステムに魅力を感じイタリアに移住。ヨーロッパの美学を肌で感じ、自身のクリエーションの礎を築いてきた若干25歳のデザイナー。
1998年生まれ東京都出身の工藤花観が自身の名前を冠にしたブランド、カカン(KAKAN)。
両親の影響でファッションに興味を持ち18歳の若さで渡英、セントラルセントマーチンズに入学。
名門で英才教育を受けたのちに、ミラノへ移住。
イスティチュート・マランゴーニのファッションデザインコースを卒業した服飾芸術のサラブレッド。
そんな花観氏をYohji Yamamotoでニットウェアのデザインや生産のキャリアを積んだ確かなテクニックを持つパートナー、梶井氏が支える形でデュオとして活動している。
この2人の作り出す洋服、特にニットがすごいです。
世界観も素晴らしい。
デビューシーズンのLOOKとは思えない完成度の高さにも驚きました。
経験や年齢なんてあてにならない。
ファッションやアートにまっすぐ向き合いながらも、純粋に表現するピュアさは唯一無二だと感じました。
羊飼いから毛を買い、それを紡いで糸にすることからモノづくりをスタートさせるKAKANのプロダクション。
着る人の体型や骨格に馴染むようにニットが馴染むよう編み立てるそうで、着用者にとってのベストな形に生地が馴染むように身体を覆います。
毛の特性を理解した上で、それを活かすように紡ぎ、編み立てる。
彼らが話すその価値観や感覚には、衣料としてのニットという概念を超え、美術品のような美しさが宿っています。
VOGUEにインタビュー記事が掲載されているので、ぜひこちらも読んでください。
手紡ぎのニットを核に持つ日本発の新ブランド、カカンのデザイナーが考えるファッションとは?【若手デザイナー連載】
そんな経緯でお取引スタートとなったKAKAN。
その魅力はまだ計り知れません。
今季は手紡ぎのニットのベストを中心に、気持ちの良いシルク混のリブドレス、黒鳥のようなドレスをピックアップしました。
手紡ぎのベストに関してはブラックを別注しています^^
この衝撃的なブランドのファーストコレクションのアイテムをどうしても手に入れたく、無理を言って作って頂きました。
ベストのブラックとドレスの赤を買いました。
感動を纏う、そんな感覚を味わえるセットです。
そちらは同じく、このニットの魅力に早速気がついてくれたまゆみちゃんから明日、詳しく紹介してもらいますね。
今日はスペシャルピースであるスワンドレスを最後に紹介して締めくくりたいと思います。
先端を羽根のように編み上げた黒鳥ドレス。
SWANシリーズのドレスは白鳥の子育てをインスピレーションとしてデザインされました。
ニットでファーを再現し、軽さもありながら、とても温かいです。
後ろ前どちらでも着用可能で、あえてボタンを付けず、どのような着方でも着て欲しいと想像しています。ふわふわの毛で隠れていますが、実はポケットがあります。ポケットがあることでファッショナブル着こなしが可能です。
アイロンやスチームを使用すると風合いや表情が変わってしまうため、ケアはブラシの使用がおすすめです。
毛並みを立たせるためにもブラシを一度していただくと立体感とボリュームが戻ります。
モヘア素材を毛足をつけるように撚糸した糸を使用しています。
モヘアの光沢がより際立つ糸の形状です。
ゆったりと編み立て、仕上げで毛足を出すように加工することで、軽さとボリューム感を両立しています。
ポリエステルも撚糸しているので、ハリコシがあり、ニット特有のダレが軽減されています。
着用モデル168cm サイズ1
素材:MOHAIR 90% POLYESTER 10%
カラー:black
サイズ:1
【1】着丈 133cm
美しいドレスですよ、ニットでこの表情を表現できるアイテムには出会わないのではないかと思いますね。
VOGUEで宮沢りえさんが着用されていたのも非常に美しかったです…
KAKAN、これからが非常に楽しみなブランドです。
ファーストシーズン、ぜひお見逃しなく。
chie